[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
“怪物を超えた怪物”
“悪魔を超えた悪魔”
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
宮沢鬼龍。
かつて、暴虐の限りを尽くした男。
最強の座を欲しいままにし、その自由を振り回し続けた男。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 相当強いよ……きっと昔はね。
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
俺はそんな“悪魔を超えた悪魔”の息子。
“人間兵器”エドガード・C・ガルシアのクローン……
その11番目。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : いや。もはやガルシア11号でもなければ人間兵器でもない。
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
“悪魔を超えた悪魔”の息子……
“悪魔王子”だ。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……聖盃戦争?そんな大したものじゃないでしょ……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 第猿魔法(モンキー・マジック)『モンキー・ディメンジョン』により、異世界の記憶を垣間見た。
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
眉唾物だ。
願望器を巡って殺し合うだなんて……
まだ、特別な心臓を巡ってドラゴン・ラッシュが起こる方が説得力がある。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : だけど……
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 今持ってる『これ』といい、環境は整っている。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……やってみようかな」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
最初からまともに勝つ気はない。
最初から聖盃など取る気はない。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : だが……試してみたくなった。
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
『悪魔王子』たる自分の実力を。
どこまで戦えるかを。
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
悪魔王子はその世界に降り立つ。
第猿魔法の力、その一端なら造作もないことだ。
尤も、この力……猿空間は制御できたものではないが。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 雑に足で引いた円を見つめ、言われた通りに一言、また一言。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 溢れ出した光を目を閉じることすらせず、真っ直ぐと見つめて
[鬼龍よ 死ね!] ??? : 「問おう、貴方が私のマスターか?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……ふぅん……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 現れたそれを、目を細めて見つめる
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
ああ、なるほど。
確かに自分に似ていて……
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : ……確かに、自分とは違うようだ。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……俺は“悪魔王子”。よろしくね」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
そう言って手を伸ばす。
目の前のそれには、親近感を感じる。
[鬼龍よ 死ね!]
??? :
「……」
ゆっくりと手を取って、彼を見つめる。
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「……じゃ……」
親近感を感じる、が、それ以上に。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「お近づきの印に、一回戦らないかい?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : ……此奴は、一回殴ってやりたい。
[鬼龍よ 死ね!] ??? : 「……正気か?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「正気だよ。俺は強いしね」
[鬼龍よ 死ね!] ??? : 「……素手でいいか?」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「徒手空拳なんてルールは今撤回した」
……それに、よく考えなくても。
ファイターなら、一回戦って心を通わせるもんだろっ
[鬼龍よ 死ね!]
??? :
「……え、じゃあ、ガチで行くぞ!?」
金属音を鳴らして、『本気(ガチ)』であることを感じる悪魔王子に対して構える。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「“手加減”不要ッ この“非人道的破壊打撃”があればいいっ!」
[鬼龍よ 死ね!] : ガ ッ(PC書き文字)
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!] ??? : 「……んだよこれ!?か、顔が……顔が変に……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「すごいな “幻魔拳”は英霊にも効いたよ」
[鬼龍よ 死ね!] ??? : 「効いたってか……ひ!?い、今ので霊基歪ん……い!?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……え?」
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 悪魔王子のおうち(賃貸、家賃500億)
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「なんか…忙しい一日だったな…」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「あぁ……なんか玉砕しにきた奴も一人いたしよ……」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「ところでオレのこの後遺症はいつ治るんですか?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「もちろんメチャクチャ治らない」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「は?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「活法なんてクソ喰らえだよね パパ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「治せねえものを使うんじゃねえよ あーーーっ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「だが俺を恨むのは筋違いだぞ 悪いのはパパだ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「はぁ……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……そういえば気になってたけど、君のパパについて聞いてなかったね」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……父上のことか?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「うん、誰なの?」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「はぁ〜?えっ、お前知らねえの?アーサー王……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「オーサー卿なら知ってる」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「誰なんだよそいつは……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「どんな親父さんだったの?教えてくれよ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……ん、ま……うん……」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「どんな人だったかって……」
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……そんなこんなで、オレはここにいるってわけだよ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
なにっ 自らの息子と認めない上に後継者の座すら譲らないっ
まるでどこかのゴリラに負けた男のようだっ 許せないっ
まさか主張したのが“息子”だったからいけないのかあっ “娘”ならどうにかなったのかあっ
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : どちらにせよ
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「はいっクズ確定 ぶっ殺します」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「ハァ…ハァ…クズ?」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「取り消せよ…!今の言葉…!」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「断じて取り消すつもりはない…」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「認知しないのは普通にクズ親ムーブなんだ 悔しいだろうが仕方ないんだ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「やめやめろ……!」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「しまいにゃしまいにゃバカ息子 君という名のバカ息子」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「それに刺されそれら(国とか)を守るために死ぬ…実に空虚なんだ 人生空虚なんだ くやしか」
[鬼龍よ 死ね!]
セイバー :
「父上はこの時代を作った大騎士王だ!!バカにすんじゃねえ!!」
自分のマスターに対し宝具を持ち出し斬りかかる暴挙に出るっ
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「“大噴火”!!」
と言う名の幻魔拳で迎撃するっ
[鬼龍よ 死ね!] : ボボボ パパンッ
[鬼龍よ 死ね!]
セイバー :
「う あ あ あ あ(PC書き文字)」
「幻魔が…幻魔がさらに増えたあっ 狂いそうだあっ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「あっ一発で折れたっ」
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!] : ボボパンッ ボボボボパパパンッ
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!]
セイバー :
「オレの……オレの身体……っ、どうなって……」
リアル・グロ・フェイスで右頭部が弾け、左脇腹は抉れ胸に風穴が空いた“幻魔”のイメージが描かれる
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「“刃物”はダメだろ……」
無数のモンキー・切り傷が刻まれてる上に胸の辺りに剣がザックリと刺さって貫通しているっ
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「なんで……なんで死なないんだよ……に、人間だろ、お前……オレも、なんで死んでないんだ……?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「悪魔は死なないんだぜ……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「あっやっぱ死ぬっ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「どっちなんだよ えーっ」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「この剣はもらったんだ オレのものだ」
と、刺さっている剣を引き抜いて持つ
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「なめるなオスブタァッ その剣をお前が持つんじゃないぜ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「お前からしてもこの剣は盗品みたいなもんだろっ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「殺すッ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「おっ反応があった やっぱり本当のこと言われるとハラ立つんやな」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : ポケットの中の蛆虫のクライマックス・シーンのアレッ・クスのように胸の辺りに剣を構え突っ込む
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 同じく ゴアをその前に殺そうとしようとした鬼龍おじさんのように武のかけらもないポーズで突っ込む
[鬼龍よ 死ね!] : ザクッ ガッバキッ(PC書き文字)
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!]
セイバー :
「……なあ、悪魔王子」
“幻魔”どころか、実際の身体すら大きく抉れ、倒れ込んだ状態で、隣の彼に問いかける
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「……何?」
同じく、息も絶え絶え、貫かれた傷に顔面は物理的に崩れ
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「お前の親父さん、どんな人だったんだ?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「俺の……パパかい?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「…クズだったよ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……は?」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「傍若無人、残虐非道、悪魔を超えた悪魔、怪物を超えた怪物、蛆虫を超えた蛆虫……」
「人のことを何とも思っちゃいない人間としてクズの部類に入る、無駄に強くて迷惑なクズだよ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……んだよ、それ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「そんなクズが……父親でいいのかよ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「もちろんめちゃくちゃ良くない」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「でもね そんなクズでもパパであるのは確かなんだ パパじゃなかったらとっくに殺してたしね」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「でもさ 俺はそれでも“龍を継ぎ”たかったんだ」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「……モードレッドもさ」
「俺と同じなんじゃない?」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「何が言いたいんだよ」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「モードレッドはさ」
「自分の父上が偉大なアーサー王じゃなくても認められたがったかい?」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……んな……」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……オレは……オレは、アーサー王の息子だから、父上が父上だから……偉大な人だった……から……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……じゃないんじゃないの?」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「“アーサー王”だからじゃなくて」
「“父上”だったからここまで鬱屈した感情を抱える羽目になったんだろっ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「オレはっ、違うっ、オレは、父上以外が父だったら、例えばそんなクズ野郎だったら、父上なんて呼んでやるものか、父として認めて……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……例えどんな奴だろうとね」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「“父親”は“父親”なんだ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「特に俺や……モードレッドみたいなのはなあっ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「きっと俺は 父親が宮沢鬼龍じゃなくても“虎”を “鷹”を継ごうとしただろうね」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……オレも、そうだってのかよ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「違うか?」
[鬼龍よ 死ね!]
セイバー :
違う、と吐き出そうとした言葉は
つっかえたように出てこなかった。
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……うらやましいよ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「セイバーは……偉大な父がいてうらやましいって言ったんだ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……ふざけるな、アイツは……!!」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「わかってるよ……」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「息子の存在を認めないクズってのは今でも取り消すつもりはない」
[鬼龍よ 死ね!]
セイバー :
「……」
ギリギリと、歯を擦らせて
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「でも……素直に憧れられて、認められたいって思える……誇りに思える良い父親だって そこが羨ましいって 思ったんだ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「そう、か?」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「父上を父に持つオレは……羨ましい、か?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「まあね」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……“龍”なんて正直、継ぐ意味も価値もありゃしないんだ」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「でも……俺にはそれしか継げるものがなかったし」
「継ぐことすら俺には出来なかった」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……悪魔王子」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「どこまで行っても俺は悪魔王子なんだ」
「王族だなんだって言っても所詮は“悪魔の子”」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「“忌子”なんだ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……オレだって、オレだって望まれない子だよ!!どうせオレも!!」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「でも、お前は“騎士王”の子だ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……“悪魔”の子じゃない」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「だからなんだってんだよ……っ」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「“悪魔王子”を名乗ることしかできない俺とは違う」
「お前は“騎士王子”なんだ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……だから、俺と違って心の底から誇りに思えて、心の底から継ぎたいと思えて、心の底から……憎めた」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……じゃ、なんだよ お前にゃそのどれもなかったってのかよ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「お前が空っぽみたいじゃねえか、寂しいこと言うなよ!!」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「その言い方じゃ君も俺の上げた三つ以外空っぽってことになるだろっ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「空っぽだよ……!!」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「オレなんて、こうやって生まれてなきゃ、父上がいなきゃ、あの戦いがなけりゃ、空っぽだよ!!でも、そういうもんだろ!!」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「言ってて悲しくならないのか?」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……悲しいし、虚しいよ」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「悲哀を感じるな」
「他人に依存しないと自己を確立できないってのはなあっ」
[鬼龍よ 死ね!]
セイバー :
「……お前こそ悲しくないのかよ……」
「他がいないと今の自分がないなんて、そんなのみんなそうだろ……」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「……そうかもしれないけれど……」
「正直俺はパパを誇りにも思えなかったし 本気で憎むこともできなかったし」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……そんなんだから、何がやりたいのかもう自分にもわからないんだ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「なんだよ、お前」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「なんなんだろうね」
「兄弟みたいに……ただ認めて欲しかった?人間でありたかった?」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「……いや 俺は“悪魔王子”」
「多分もう 今更それ以外にはなれないんだ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……それなら、オレも」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「お前は違う」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「お前はまだ他の存在になれるだろっ」
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「“悪魔”の息子は悪魔の子にしかなれなくても」
「“王子”はあくまで人間だあっ どんな“人”にもなれるんだ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「お前も人間だろっ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「……いいや 捨てちまったよ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「俺はもう “人間兵器”でも“ガルシア”でもなく “悪魔王子”だからね」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「何が言いたいんだよっ 何を言い出すんだよっ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「知らないのか」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「“悪魔”に出来ることは契約した“人間”の望みを叶えてやることだけなんだぜ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「は?」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 思い返されるいつかの昼に聞いたあの言葉
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
サーヴァントを見捨てれば叶えてくれる……
コイツがいなくなるくらいなら望みもクソもない俺がいなくなるべきだ
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
目論見が失敗すればあの人形に託してやるという保険ができる
目論見が成功すれば俺がコイツの願いを叶えてやればいい
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
「乗り遅れるなっ 猿聖盃を作るんだ “モンキー・ラッシュ”だ」
ボロボロの身体で立ち上がりそう言い放つ
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「……待てよ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「なんかよくわかんねえけど 自分をどうこうしてオレの望みを叶えるみたいなアホなこと考えてるのは分かるんだぜ」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「したらどうする」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「戦え」
[鬼龍よ 死ね!]
セイバー :
「戦うって聞いて来たのに、碌に戦えてない」
「……お前との決着だけでもつけさせろ」
[鬼龍よ 死ね!] セイバー : 「んでお前が勝ったら!お前が無理矢理自分の望み捻り出して、その為に好きに生きろ!叶えろ!」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「…………………」
[鬼龍よ 死ね!] 悪魔王子 : 「いいよ」ニコッ
[鬼龍よ 死ね!]
悪魔王子 :
ゆっくり、目の前の相手に対して
最初に出会った時と同じように構え
[鬼龍よ 死ね!]
セイバー :
傷だらけの身体を引きずって
二人きりの“戦争”が始まる
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!] : ボボパンッ
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!] : 「……ばか」
[鬼龍よ 死ね!]
:
[鬼龍よ 死ね!] : END:50000000000「モンキー・マイグレーション・ハイ」